
本学とアカデミックパートナーシップ協定を結んでいる株式会社楽天野球団との取り組みの一環として、スポーツ情報マスメディア学科の学生を対象にデータ分析実習を計4日間にわたって実施しました。
本実習は、プロ野球球団におけるデータ分析業務を体験し、スポーツ現場でのデータ活用の実際を理解することを目的としています。球団の分析担当者(以下、アナリスト)による指導のもと、データ収集・加工・可視化・考察までの一連のプロセスを学び、スポーツアナリストとして必要な実践的知識と技能の習得を図りました。
実習概要
対象学科:スポーツ情報マスメディア学科 2・3年生
実施場所:株式会社楽天野球団 (楽天モバイルパーク宮城)
実施期間:2025年11月・12月(うち4日間)
現場でのデータ取得とデイリーレポート作成の見学(11/12 実施)
参加した学生は、楽天イーグルスの秋季練習(楽天モバイルパーク宮城)で仕事をするアナリストの方に同行し、活動の現場を見学・体験しました。実際に選手が練習中に取得しているデータの種類について説明を受け、見学終了後には、打撃練習の計測結果(打球速度や打球角度など)をまとめたデイリーレポートの作成プロセスについて学びました。プロ野球の現場で活躍するアナリストの仕事を間近で体感する、大変貴重な機会となりました。
楽天野球団のアナリストからデータ計測機器の説明を受ける学生たち
球団アナリストによる講義&データ計測体験(12/1実施)
楽天野球団の事務所で、データ分析の講義と実践的な取り組みが行われました。まず、球団アナリストの方から、打撃練習や投球練習の際に使用される各種データ計測機器が、選手の日々の変化を客観的に把握・分析できる環境構築に役立っていることなど、機器やシステムの活用事例をご紹介いただきました。また、データ可視化にあたり、プログラミングを活用した半自動的なレポーティングシステムの構築技術を学びました。翌日以降、学生たちはこの知識をもとに、実際の試合データを用いた分析と可視化に実践的に取り組みました。そのほか、バッティングの際に用いられる計測機器の体験を行い、選手がどのようにしてデータを計測しているのかについて理解を深めました。
楽天野球団のアナリストから講義を受ける学生たち
分析課題への取り組みと成果発表(12/2・12/3実施)
学生はグループに分かれ、実際の試合データを用いた分析課題に取り組みました。一例として、ある班は、ヒットが出やすいコンタクト位置と打球速度の関係を可視化しました。別の班は、プロ選手と大学選手の投手のボール変化量を比較し、プロ選手は変化量が大きく、かつばらつきが小さい(精度が高い)ことを示しました。分析結果はプレゼンテーション形式で球団アナリストに報告され、さらなる深掘りのための貴重なフィードバックをいただきました。
実際のデータを用いて分析課題に取り組む学生たち
実習に参加した学生のコメント
本実習を通して学生は、プロの現場で実際に扱うデータに触れ、手を動かしながら分析に取り組むことで、より現場に近い業務体験を得ることができました。
「現場でアナリストの方がどのようなデータをどのように取得しているのか、またそのデータをどのようにデイリーレポートに落とし込んでいるのかを肌で感じることができ、大学での学びを活かして実践に取り組むことができました。特に、選手一人ひとりの変化を客観的に把握・分析する環境が整っていることに感銘を受けました。」
(スポーツ情報マスメディア学科 3年 柴田昌汰)「データコンペティションでは、球団が実際に使用するデータに触れ、プログラミングによる可視化を実践しました。自分たちが導き出した分析結果に対し、現役のアナリストの方から『さらにこう深掘りしたらどうか』と具体的なフィードバックをいただけたことは、スポーツ分析への意識が大きく変わる経験になりました。」
(スポーツ情報マスメディア学科 2年 松本貫太)
球団アナリストの方との記念撮影
ご協力いただきました楽天野球団の皆様、この度は貴重な学びの機会をご提供いただきありがとうございました。参加した学生達には、今回の実習を通して学んだ知識や習得した技能を、今後の活動にも活かしてもらいたいと思います。