仙台大学

学長挨拶

■ ご挨拶

学長:朴澤泰治  平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、1,000年サイクルという人智を超えた自然現象の発露でした。
その影響は、例えば米国で自動車の生産がストップするなど、全世界に及んでおり、かつ、長期間に亘ることが必至であります。
 1千年という長期的視点で、人類は、人間社会をどのように形成していくのか。このことが、今、全世界・全人類に対し、改めて命題として投げかけられました。
 仙台大学は、これを解くカギの1つを保持しております。そして、その「カギ」を学ぶ場であります。
 「カギ」とは、社会を形成する「人間」そのものについて、身体活動面から、これを学びの対象としていることであります。  百年であろうが千年であろうが、時の刻みを超え社会の創造を担っていくのは、常に「人間」であり、そして、これを支える「人格」であります。
 スポーツは、自発的な「創意工夫」や「努力」を導く、心身の「鍛錬」をもたらす、自己が保有する「可能性を開発」する、同じ目的に向けて他人との「交流の拡がり」をもたらす、感性が磨かれることにより自然や文化との「豊かな交流」をもたらす、ものとされております。
 スポーツの実践は、これらの機能の発揮を通じて、良き「人格」の形成を導きます。そして重要なことは、これらの機能は、同時に「大学」自体が持つべき「機能」でもある、ということであります。
 仙台大学では、スポーツ、体育、健康、身体活動に根ざした福祉、運動と栄養、インテリジェンスとしてのスポーツ情報、そして武道を通じた心身の鍛錬を骨格とする社会の安全・安心の保持など、勉学の対象とする領域について、全てを「体育学部」という一つの学部のなかに取り込んで教育活動を行っております。
 その理由は、これら対象領域に共通する基盤を「身体活動あるいは身体機能の発現」と捉えているからであります。
 そして、その発現形態の典型が「スポーツ」ということになります。
 したがって、仙台大学は、情報の受・発信を含め、「身体活動あるいは身体機能の発現」から派生する様々な知識あるいは技術について、これを系統的に勉強する「場」ということになります。
 このことを示す教育理念として、仙台大学では「スポーツ・フォア・オール」という表現を使っております。
 仙台大学では、スポーツの実践を通じ、人格形成に向けスポーツがもたらすこの素晴らしい機能を、先ず、身につけて頂きたい、そして同時に、仙台大学から、大学の持つべきこれら「機能」を色々と引き出し、大いに活用することにより、その成果を十分に「自分のもの」として頂きたいと考え、平成23年度から、さらに挑戦的に、様々な教育活動に取り組んでおります。
例えば、

自らの健康・体力・栄養の状態等について、学生生活の4年間、IT機器を活用し自己管理できる能力を養ってみる
(栄養・健康・体力自己管理システム)
人間社会の構成員として必要とされる教養力について、自らの青春を賭ける競技スポーツ等の実践そのものを通じて取得してみる
(仙台大学としての「教養教育」)

といった体育系大学ならではの新たな教育の取組みを始めております。

財団法人 日本高等教育評価機構による認定マーク 大学は、現在、「大学としての質」を自ら保証することを要請されております。そして、これを客観的に確認するため「外部認証評価」という手続が制度化され、仙台大学は、平成19年度、その手続を実施し、平成26年3月末までの認証評価を獲得しました。
 上述しました仙台大学の理念と目的、そして具体的な「取り組み」、これらの「質」を維持・向上させるためには、大学側と学生諸君とが、共通認識に立ち、そのうえで共に切磋琢磨を行うかどうかにかかっております。ぜひ、学生の皆さんには、「質の高さ」を世の中に誇れる仙台大学創り、というものに参画して頂きたいと考えております。

 今回大震災では、本学も3名の学生が津波の犠牲となりました。また、人的・物的に甚大な被害に遭遇された関係者の方々も多数に上ります。ここに、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心からお見舞い申し上げます。
 そして、この大震災が問いかけた新たな命題の発信地である日本の東北に位置する大学として、直接的大被災を克服し、皆さんとともに、上述の「カギ」の解明に取組んでまいります。

仙台大学学長    朴澤 泰治(ほうざわ たいじ)
(平成20年 4月 1日就任、、平成23年度より2期目)
学長略歴

■ 副学長挨拶


副学長:マーティ・キーナート  仙台大学へようこそ。私は、学生の皆さんがこの仙台大学に在籍中の間、受けうる限りのあらゆる教育を身につけるように努力し励むことを望んでいます。仙台大学では、「英語でスポーツを語ろう」を標語に掲げています。その意味は“A Campus for Sports Education through English”。これからのグローバル社会では、英語をツール(道具)として使いこなせるかどうかは非常に重要な鍵です。スポーツ専門大学の仙台大学においても、日常的に英語でスポーツを語れるぐらいの英語力をつける環境創りに取り組んでいます。
 日本語の「文武両道」は、英語では「Scholar-athletes」(スカラーアスリート)と呼びます。スカラーアスリートとは、本当の意味で「文」においても「武」においても最高のレベルに達している人物のことです。大学は貴方の人生における本当の教育の航路の始まりです。そして貴方が大学で学ぶこと、そしてその後の人生で学び成し遂げることが、貴方を本当の文武両道=スカラーアスリートになれるかどうかを決定します。人間には「無限の可能性」があり、それをひとつの道だけで諦めることはありません。仙台大学の学生である皆さんには、貴方の無限の可能性を極め突き詰めるよう努めて欲しいと願っています。また、仙台大学でも皆さんから多くのスカラーアスリートを輩出するべく質の高い教育を提供できるよう励んでまいります。

仙台大学副学長    Marty Kuehnert(マーティ・キーナート)
(平成21年 4月 1日就任)
マーティ・キーナート副学長略歴

■ 学長補佐挨拶


学長補佐:佐藤 滋  スポーツ、中学高校時代にスポーツの思い出のない人はいないのではないでしょうか。皆さんも振り返れば、輝かしい記録、悔しい思い、いろいろな経験が思い出されるでしょう。東北地区で唯一の体育学部を持つ仙台大学に入学されるあなたにとっては、学校時代の思い出はどのようなものでしょうか。
 私にとっては、そのような思い出はもう半世紀も前のことになってしまいました。高校時代にアメリカの田舎の高校に1年間留学しました。そこは、スポーツ無しでは1年が動かない世界です。アメリカ国歌を聞くと、私はいつも、秋のさわやか風の中でのアメリカンフットボール、ナイトゲームもあったな、寒い冬なのに暖房のきいた体育館でのバスケットボール、そしてチェアガールたち、あのときのざわめきと興奮を今でも思い出します。フットボールの人気スター、また同時にバスケットボールのスタープレーヤーのリックは、成績も抜群で女子学生にももてたなあ、今頃どうしているのだろう。など振り返ると、限りがありません。春になり、野球と陸上競技の季節が巡って、かくいう私は、陸上競技にのめり込みました。ハードル競技に執心したのですが、コーチに「お前は足が遅い!」と致命的なことを言われてしまいました。コーチ曰く、まず400、800メートルで足腰を鍛えよう、そんな訳の分からないことを指示され、グランドを何周も全力疾走の地獄となりました。ここ柴田町船岡の3月4月は若草の萌える季節、早春です。まだ風が少し冷たく、韮神山から船迫地区や白石川の辺を歩くと砂ぼこりが舞っています。あの頃のアメリカ中西部の大平原もこんな雰囲気だったなあと、私はあの時の苦しかった(今となっては、楽しかった)修行を思い出します。勉強もずいぶんしたはずなのに、ほとんどの思い出は、競技観戦と陸上の練習の毎日に関わっています。後日、帰国してから仙台の高校でマラソン大会があり、上位入賞を果たしました。これが私のアメリカでの地獄の全力疾走の成果だったと分かりました。
 仙台大学を志望する皆さんは、たぶんスポーツの輝かしい成果をたくさん持って入学するのだと思います。私の年齢になりますと、よき思い出がどれほど人の人生に彩りを与えるか、どれほど意義深いものにするか、よく分かります。皆さんの中学高校時代の経験は、大学でさらに深められ、卒業後の自分に大きな意味づけを行うものです。今は実感がないかもしれない、しかしあなたの全力疾走は、必ずあなたを豊かにする、そう私は確信しています。

仙台大学学長補佐・工学博士    佐藤 滋(さとう しげる)
(平成23年 4月 1日就任)
佐藤滋学長補佐略歴


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