2022/03/12

620名の学生が新たな一歩/令和3年度卒業式を挙行

髙橋学長より卒業証書・学位記を受け取る体育学科総代の石森さん

 
 「令和3年度第52回卒業証書・学位記授与式並びに第23回大学院学位授与式」は3月12日(土)、本学第5体育館で行われ、体育学部601名(うち、体育学科311名、健康福祉学科101名、運動栄養学科77名、スポーツ情報マスメディア学科36名、現代武道学科31名、子ども運動教育学科45名)及びダブルディグリー制3名、並びに大学院16名の修了生が本学を旅立ちました。
 
 表彰関係では理事長特別賞に、令和3年10月に行われた体操・世界選手権「種目別ゆか」で銀メダルを獲得した体操競技部の南一輝さん(体育4年)が輝き、学長賞に第47回全日本大学選手権大会で男子総合優勝やエイトで日本一を掴んだ漕艇部の学生や令和3年度第67回全日本学生ウエイトリフティング個人選手権大会のトータルで優勝した遠藤朱李さんなど15名が表彰されました。
 
 式はコロナウイルス感染拡大防止のため、式次第を簡略し、学生と関係教職員のみで執り行いました。
 LIVE配信された卒業式の様子は下記のリンクよりご覧いただけます。
令和3年度 仙台大学 第52回体育学部 卒業証書・学位記授与式 並びに 第23回大学院 学位記授与式

<学長式辞要旨・髙橋 仁>
 皆さんにとってこの2年間は、新型コロナウイルスの世界的な流行により、それ以前とはまったく異なる学生生活を送ることになりました。体育、スポーツ、健康科学という身体活動を専攻領域とする本学にとって重要な意味をもつさまざまな活動に制限がかかり、授業は全面的に遠隔で行い、部活動も断続的に休止となり、大会等の中止も相次ぎました。
 
 徐々に対面授業が再開されたものの不自由な生活を強いられる毎日でしたが、学生の皆さんの協力と一人一人の創意工夫によって部活動等を継続することができ、女子サッカー部がインカレで初のベスト8、硬式野球部が秋の神宮大会に初出場を果たすなど、大きな成果をあげる事ができました。また、昨年12月に学友会主催で打ち上げた花火は、学生の皆さんのみならず町の人々にも元気を与えるイベントとなりました。
 
 1年延期となった東京オリンピック・パラリンピックも昨年の夏に開催され、本学の卒業生が活躍するとともに現役の学生の皆さんも聖火リレーのボランティアや大会運営のスタッフなどとして参画し、スポーツを「する」「みる」「ささえる」という本学の特色を発揮することができました。特に、体操競技部の南一輝選手は、ケガのため東京オリンピック出場は叶いませんでしたが、その悔しさをばねにして12月に開催された世界体操選手権では見事銀メダルを獲得しました。ケガをのりこえて世界の頂点を目指し努力し続けたことを大いに称えたいと思います。
 コロナ禍により、思い描いていた学生生活を送ることができなかったという気持ちを持つ皆さんも多いことと思います。しかし、困難を乗り越えて今日の日を迎えた事は、今後の人生の糧となるに違いありません。
 皆さんは、これから、社会のさまざまな分野で、新たな一歩を踏み出すことになります。世界は今、激動の時を迎え、日本も大きな変化のうねりの中にいます。誰もが安心してスポーツを楽しむことができる平和な社会を築いていくために、「実学と創意工夫」の建学の精神そして「スポーツ・フォア・オール」の理念のもと、皆さんが本学で学んだ全ての事を土台として、それぞれの場所で存分にその力を発揮されることを期待しています。
 
<謝辞要旨・熊谷 のぞみ(子ども運動教育4年)>
 新型コロナウイルス感染症によって生活に関わる諸活動が困難な中、私たち卒業生のためにこのような盛大な式典を催して頂き、誠にありがとうございます。
 4年前の春、私たちは新生活への大きな期待と少しの不安を抱きながら、この仙台大学の一員として新しい一歩を踏み出しました。私たちは諸先生方のご指導を受け、大いなる知識を得ました。そして何よりかけがえのない多くの友人を得ることができました。その友人たちと共によく学び合いながら、そして時には競い合いながら、とても楽しく有意義でかけがえのない思い出をつくることができました。卒業に際して喜びを覚える一方で、友人たちとの別れに寂しさを感じずにはいられません。

 私は4年間の中で、諸先生方や友人だけではなく、保育実習やボランティアを通して、多くの子どもたちに出会いました。初めての保育実習では不安や戸惑いから失敗も多くありました。しかし、大学での学びや共に実習を行っていた仲間との励まし合い、指導教諭の先生の熱心なご指導、そして子どもたちが見せる屈託のない笑顔で乗り越えることができ、大きく成長することができました。

 そのような中、令和2年3月に新型コロナウイルス感染症が流行し始め、私たちの大学生活も一変しました。活動の自粛や講義がオンラインとなり、先の見えない毎日で焦燥感に駆られることこともありました。しかしこれらの経験が、子どもたちと関わることの楽しさを改めて認識するきっかけとなりました。自分の目標や夢を達成するため、先生方から、きめ細やかなご指導を受け、基礎的な面から応用力まで学ぶことができました。このような恵まれた環境の下で充実した大学生活を送ることができたことをとても嬉しく思っております。
 本日をもって私たちは仙台大学を卒業します。春から進む道はそれぞれ異なりますが、仙台大学で培った知識や技術、精神を活かして、卒業生一同精進して参りたいと思います。楽しいことや嬉しいことばかりではなく、悩むことも多くあると思います。そのときには、仙台大学で仲間たちと過ごした時間や応援してくださった先生方を思い浮かべて、一歩ずつ前に進んでいきたいと思います。そして、私たちが充実した学生生活を送り、今日この日を迎えることができたのは、他ならぬ家族の支えがあったからこそだと思います。どんなときでも一番近くで応援してくれた家族の存在が励みになりました。心から感謝しています。ありがとうございます。

 さて仙台大学は平成23年3月11日、東日本大震災に見舞われました。11年が経過し、震災を知らない世代が増えてきました。私たちの中にも当時、東北におらず被災していない学生も多くいるのが現状です。しかし、仙台大学で学んだ私たちには、東北人の一員として、震災を後世に伝えていく使命があると思います。そして、震災を経て確認された人と人との繋がりや、健康の大切さ、感謝と助け合う気持ちを忘れず、実践していくことをここに約束いたします。


 
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