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「総合型地域スポーツクラブ普及啓発フォーラム」

[2008/04/16]
  3月29日、本学を会場に、生涯スポーツの普及と地域貢献の一環として「総合型地域スポーツクラブ普及啓発フォーラム」が開催され、滝口町長を初めとする地域の方々及び朴澤理事長、教職員、学生など約120名が参加しました。この事業は、宮城県スポーツ振興財団の委託事業として、仙台大学内の仙南広域スポーツ研究会が中心となり、総合型地域スポーツクラブの創設を支援する事業として実施されたものです。
  プログラムは大きく2つに構成されており、前半はスピードスケート・ショートトラック女子でオリンピックに出場した勅使川原郁恵氏による「スポーツの魅力」と題した基調講演、後半の「スポーツの魅力が地域へもたらすエネルギー」と題するパネルディスカッションでは、丸山学部長をコーディネーターに、勅使川原氏、滝口町長、榊原孝彦氏(愛知県広域スポーツセンター ソシオ成岩スポーツクラブ マネージングディレクター)、南木恵一氏(元富山県広域スポーツセンター指導員 メディアプロスポーツ事業部)らが、学校の部活動と総合型地域スポーツクラブの関わり方や、スポーツ振興を通して地域の活性化を図ることの必要性、自分達の健康を守るには行政にのみ頼るのではなく、町民自らが主体的に努力することを期待したいといった、さまざまな提言がなされました。

  基調講演に先立ち、朴澤理事長より「先頃改正された教育基本法の中で、幼稚園から大学にいたるまでの各教育課程の目的が明確にされ、大学においては従来の「教育」と「研究」に加え「地域貢献」が加わったことにより、地域との連携や人材教育という使命が強化されたこと。また、戦後のスポーツ振興計画の流れの中で、本学も昨年開学40年を迎え、柴田町におけるスポーツと健康に貢献できるよう、このフォーラムが県南における大きなステップになることを期待したい。」旨の挨拶がありました。

  勅使川原郁恵氏による基調講演では「オリンピックに出場することは人生の通過点に過ぎないが、辛い練習を通し競技選手として得たものは大きく、仲間との励ましあいや外国の選手との交流が、スポーツの魅力の1つでもある。」というお話がありました。

  パネルディスカッションは、総合型地域スポーツの2つの意義として①スポーツ文化の成熟。従来学校や企業、行政に依存していた日本のスポーツ文化を独立させ、競技のみならず、日常的にスポーツを楽しむこと②地域の活性化があげられるという、丸山学部長のリードに始まり、富山県、愛知県でNPO法人としてクラブハウスの建設から、クラブづくりと地域教育力向上に努め、子供達を育む豊かな街づくりに貢献することなどをミッションとした、総合型地域スポーツクラブの運営に関する実例等が沢山紹介されました。
また、地域の子供達は地域で育てることをスローガンに、開かれた学校改革を目指して地域と学校が一体となった立ち上げや、地域というエリアの中で行政の支援も得つつ、これからのスポーツ振興や総合型地域スポーツクラブは、自主運営する意識が大切であるという提言がありました。

  最後のQ&Aの時間には、本学の卒業生である参加者から「そういう活動を通して地域の医療費が削減できたというような、具体的な効果があるかどうか?」など、総合型地域スポーツクラブで、マネジャーとして活動している現場担当者ならではの優れた質問が寄せられ、各地域で活躍する卒業生の頼もしさにも新たな感激を覚えるフォーラムとなりました。