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山の厳しさと優しさを学んだキャンプ実習

[2015/09/30]
 平成27年度の集中授業「キャンプ」が、宮城県白石市「南蔵王野営場(国立花山青少年自然の家管轄施設)」にて行われた。第一団は9月3日〜6日、第二団は9月7日〜10日、それぞれ3泊4日の日程で実施された。実習生は、6〜7名の男女学科部活混成班に振り分けられ、野外生活や沢登り、登山に取り組んだ。それぞれの班にはキャンプカウンセラーとして補助学生(本学3〜4年生)が一人ずつつき、実習生と生活を共にしながら、野外活動の指導にあたった。

  第一団は天気にも恵まれ、非常に快適なキャンプとなった。南蔵王野営場でキャンプをスタートさせてから今年で4年目となるが、最も天気がよかったと言える。何年も帯同している教員も、あれだけ登山で晴れたことはなかったと言ってよいくらい景色もよく、気持ちよく歩くことができた。しかしながら、活動時の怪我やハチ刺され、道迷いなどの野外活動特有のトラブルも少なからず発生したキャンプであった。その際は、実習生もスタッフも協力して問題解決にあたることができ、トラブルの時にどのように対応すればよいかを学ぶ機会にもなった。雨具などの装備不備者が一人もおらず、大きな怪我や事故もなく、すべてのプログラムも予定通り終えることができたことは、大きな成果であった。
 
  第二団では一転、大雨のキャンプとなった。初日から、雨が降る中テントを濡らさないように設営することが求められ、どの班も苦戦を強いられた。2日目になると雨の生活にも慣れ、雨にも負けない体育大生らしい様子が見られるようになった。そして3日目の登山は、安全を考慮し、短縮コースで実施した。雨の中、どの班も仲間と協力しあい、水引入道(山頂)を目指した。山の厳しさに揉まれる中で、自分自身や仲間と向き合った実習生も多かっただろう。登山後は、雨の日の特別プログラム「カレーコンテスト」が行われ、かぼちゃを器代わりにしたドライカレーが優勝を飾った。最後の最後まで雨続きの第二団だったが、だからこそよく考えよく工夫し、仲間を思いやることができたのではないだろうか。
 
  最後に、今回のキャンプ実習も、補助学生たちが大いに活躍してくれた。大学院生TAや、普段から野外活動に取り組んでいる4年生が中心となって結成された今年の補助学生チームは、過去4年の中で最もレベルが高く、キャンプ中にも様々な成長を見せてくれた。実習生にとってもよい経験ができるが、補助学生はさらに有意義な体験をできるのが、キャンプ実習である。再来年、より多くの実習生が補助学生になってキャンプ実習に戻ってきてくれることを願っている。

<記事・写真:岡田成弘講師提供>