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2014年度日本芝草学会秋季大会(仙台大学)を開催

[2014/10/10]
     本田敏秋遠野市長の講演の様子=仙台大学  

  日本芝草学会主催(会長:小笠原勝宇都宮大学)の2014年度日本芝草学会秋季大会(仙台大学)が10月3日(金)から3日間仙台大学をメイン会場として開催されました。
  芝草学会は、1983年に設立された芝草ならびに緑化に関する諸事業の発展に寄与することを目的とした学術団体です。会員の構成は、大学・試験研究機関の研究者のほかに、各分野の実務者が多く、格式張らない『身近な学会』と定評があります。

  大会第1日目は、55名の参加者とともに蒲生~岩沼の沿岸をバスで巡回視察しながら、仙台市「海岸公園冒険広場」、岩沼市「千年希望の丘」、「西地区集団移転団地の芝生公園」では各市役所の担当部署職員の説明を聞きながら、また車中では過酷な条件の中生き延びた語り部さんの説明に耳を傾けて、映像や紙面では捕え難い現場の雰囲気を把握して、翌日からの討議の参考にしました。また、グランデイ・21(宮城県総合運動公園)と仙台大学の洋芝の生育状況と維持管理機械を視察しました。さらに、同日並行して泉パークタウンゴルフ倶楽部において、36名の参加者が震災後の維持管理状況を視察プレーしました。

 大会2日目は、午前中に二つの部会が開催されました。ゴルフ場部会では「東北地域のゴルフ場での様々な取り組み」をテーマに公園緑地部会では「阪神淡路大震災における公園緑地の役割と運営について」をテーマに講演をいただきました。
  午後の一般公開シンポジウムでは、「防災や復興における芝生地の役割」をテーマに基調講演を「震災復興におけるまちづくりの具体的取り組み」として中央大学教授の石川幹子氏から、「遠野市の沿岸被災地後方支援」として岩手県遠野市長の本田敏秋氏から、「震災復興の進捗状況と課題」として仙台市百年の杜推進課長の佐々木亮氏から講演をいただき、引き続きシンポジウムと質疑応答を行いました。震災復興における芝草の意義を大いに議論しました。
 夕方から情報交換会が本学学生食堂で行われ、多数の参加者があり、議論と懇親を深めました。2日目の参加者は、一般参加者の他に多数の学生の参加があり、約160名でした。

  大会3日目は、午前中に二つの部会が開催されました。校庭芝生部会では「東北地方での校庭芝生化事例の検証」をテーマに講演を、グラウンドカバープランツ緑化部会では「心の復興/メンタルヘルスと緑素材、緑地利用について考える」をテーマに話題提供をいただきました。
 午後の一般公開特別講演では、「各種競技場の整備とそのあり方」として(株)東洋グリーンの秋篠周太郎氏から、「1982年スペイン大会から9回連続W杯視察とブラジル大会1か月の滞在を踏まえて」として日本ウエルネススポーツ大学教授の松本光弘氏から講演をいただきました。3日目の参加者は、一般参加者の他に多数の学生の参加があり、約150名でした。
  多くの参加者から内容の濃いしかも盛大な大会であったとの身に余る光栄な言葉をいただき、大会の成功と本学が社会貢献の一助になったことを感じました。
 最後に、大会運営副委員長の小島文雄氏から天候に恵まれたこと、多くの参加者、講演者、後援・協賛をいただいた各種団体、そして大会の準備にご苦労をされた運営委員の皆様に感謝を述べて閉会となりました。

  来年度の春季大会は6月に日本大学で、秋季大会を秋に琉球大学を会場に開催する予定です。

<記事:小島文雄(仙台大学体育施設コンサルタント)提供>