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規律と楽しさと充実感―平成26年度仙台大学海浜実習

[2014/07/29]
 平成26年度海浜実習が、例年通り山形県鶴岡市由良浜海水浴場で7月19日から21日まで開催された。三日間を通じて梅雨明け前とは思えない晴天が続き、ひとりの落伍者も出ず、成功裏に終わった。参加学生は1年生を中心に82名、指導スタッフは、補助学生を含め23名だった。

  18日に先発隊が現地で、テント、ボート、備品等を準備し、19日昼、19日朝大学をバスで出発した実習生を迎えてくれた。船岡は小雨交じりの曇天であったが、日本海は晴れていた。北を見れば、海越しに鳥海山の雄大でなだらかな稜線が見える。頂上は雲に隠れていたが、その背後の空の深い青と対照が際立つ。浜辺に寄り添う民家の背後の丘は、深い緑に覆われている。浜辺の白砂に続き白山島が港を守るかのように海から屹立している。由良は相変わらず美しい(筆者は、15年ぶりに参加した)。
 各民宿で昼食の後、午後2時から実習開始である。浜辺に整列した学生は、その整列もまだままならない。整列、点呼、入退水の練習が続く。その後級に別れての訓練である。A級宮城、B級菊地、C・D級永田の各主任のもとで、それぞれの泳力に応じ練習が続く。日が西に傾くころ、風景の全体は黄色い光に満たされ始める。他の海水浴客も帰りだす。この日の最後の点呼のときは、白、青、黄、赤の仙台大学の旗の下、整列した学生のみが浜辺に残っていた。

 2日目20日は日曜日で、前日よりも海水浴客は多かったが、地元の人によれば、かつてよりも大分減ったとのことだった。A級は泳いでの海洞探検、スキンダイビング、白山港からの飛び込みなど多くのメニューをこなしたが、余裕が見られた。B、C級は、白山島巡り、カヌー、スキンダイビングなどをこなし、それぞれ楽しんでいたようである。特筆すべきは、この日D級が白山港から沖にまで出て浜辺の本部にまで向かい、60分以上の小遠泳をみな泳ぎきったことである。これは、明日の大遠泳への光明であった。
 
 21日は海の日であった。午前に全員で編隊を組み、大遠泳に臨む。例年この編隊編成は実習長宮城先生の創意にかかる。全員がまとまって泳ぎきれるかどうか、その編成によるところも大きいからである。その際、各級各学生の泳力を考慮し編成を組まねばならない。前列と中心軸にA級学生、中心軸の外側にB、C、D級学生、後尾にはD級学生を配し、最後尾から泳力の優れた補助学生が落伍者を出さぬよう追尾する。入水地点は、由良浜を一岬隔てた麴ヶ浜である。そこから由良の本部まで、予定を30分超えた90分の大遠泳となった。途中、潮の流れによって、沖に出ようとする編隊が浜側に押し流された。多少遅れる学生も出たが、最後はきれいな編隊を組んで本部前に上陸できた。いかにも体育(系)大学学生の雄姿であった。よき指導を得て、一致協力してある目標を達成する姿は美しい。今回もそれを目の当たりにすることが出来た。

<記事・写真:小松恵一教授提供>