2.取り組み

1.活動の概要

本年度は所期の目的を果たすため、以下の活動を実施した。

実施時期 事業項目 備考
会議 調査 発信
4月        
5月   5/31 NCA視察(1)    
6月 6/10 第1回連携協議会 6/9 NCA視察(2) Monthly Report No.49
及びホームページ
 
7月 7/2 第1回プロジェクト会議      
8月 8/27 第2回プロジェクト会議 8/6 日体協講習会視察 8/28 国際スポーツ情報
カンファレンス
 
9月   9/4 日本障害者スポーツ協会講習会視察
9/16 NCA視察(3)
9/24〜10/2 英国調査
   
10月 10/30 第3回プロジェクト会議      
11月 11/4 第4回プロジェクト会議 11/5 日本ラグビーフットボール協会講習会視察    
12月   12/3~9 南アフリカ調査
12/10 関係者ヒアリング(1) 12/14 関係者ヒアリング(2)
12/13 トップスポーツ論勉強会(アンチ・ドーピング)  
1月        
2月 2/22~23
第5回プロジェクト会議
2/12~13
関係者ヒアリング(3)
   
3月 3/7 第2回連絡協議会
3/8 第6回プロジェクト会議
  3/18 トップスポーツ・キャリアカンファレンス(震災により中止)
3/31 ホームページ

 

2.会議

本プログラムを実施するにあたり、授業・テキスト内容の検討を行うために、以下の通りプロジェクト会議を実施した。

1)日程

日程 会議名 場所
7月2日 第1回プロジェクト会議 仙台大学
8月27日 第2回プロジェクト会議 仙台大学
10月30日 第3回プロジェクト会議 JOC味の素ナショナルトレーニングセンター
11月4日 第4回プロジェクト会議 JOC味の素ナショナルトレーニングセンター
2月22日・23日 第5回プロジェクト会議 仙台大学
3月8日 第6回プロジェクト会議 JOC味の素ナショナルトレーニングセンター

 

2)協議内容

狙いは「トップの指導者のセカンドキャリア」。ナショナルコーチアカデミー(以下、NCA)やサッカーのS級などの講習の受講者・修了者がただ単に競技現場に戻るだけではなく、このようなものをしっかりと学習した人の人材活用、資格化を行い、大学院と繋げていきたいと考えている。

JOCナショナルコーチアカデミー,その他トップレベル指導者・スタッフ講習会の受講者・修了者に対して、①科目等履修生として学位認定を検討、②受講者に対して特別推薦を検討、③修了者の講師登録等を検討している。

組織の中での、競技力向上に関わる情報の収集・分析を行う「パフォーマンス分析」,組織の中の立場として対外的なコミュニケーションをしていく上で情報を戦略的に活用していく「コミュニケーションリテラシー」の2つの科目を仙台大学の柱として実施していこうと考えている。

※写真:第1回プロジェクト会議の様子

3.国内視察

本プログラムにおけるプログラムモデルや教材、授業方法等の開発のために、日本オリンピック委員会(JOC)「ナショナルコーチアカデミー」をはじめとする、国内で実施されるトップレベル指導者・スタッフ講習会における講義・視察を、下記の日程で実施した。

1)日程

日程 会議名 場所
5月31日 ナショナルコーチアカデミー(NCA)1 JOC味の素ナショナルトレーニングセンター
6月9日 ナショナルコーチアカデミー(NCA)2 JOC味の素ナショナルトレーニングセンター
8月6日 日本体育協会講習会 岸記念体育会館
9月4日 日本障害者スポーツ協会講習会 全国身体障害者総合福祉センター
9月16日 ナショナルコーチアカデミー(NCA)3 JOC味の素ナショナルトレーニングセンター
11月5日 日本ラグビーフットボール協会講習会 (財)日本ラグビーフットボール協会
12月10日 関係者ヒアリング1 講道館、(財)日本卓球協会
12月14日 関係者ヒアリング2 仙台大学
2月12・13日 関係者ヒアリング3 仙台大学

 

※写真:9/16 NCA視察の様子

4. 国外視察

本プログラムのカリキュラム開発に関わる視察・調査を目的とし、国外視察を実施した。

1)英国(ロンドン)調査

(1)活動根拠

仙台大学スポーツキャリア大学院プログラム開発プロジェクトにおいて、国外のトップアカデミーの内容や教授方法について参考情報を得るために英国「UKスポーツ」及び「ラフバラ大学」等の視察・調査の実施

(2)派遣者

勝田   隆(仙台大学教授)
河合 季信(筑波大学准教授,本プロジェクトワーキングメンバー)
阿部 篤志(仙台大学講師)
稲福 貴史(仙台大学臨時職員及び大学院生)

(3)活動内容

活動スケジュール

日程 内容 派遣者
9月24日(金) ・移動日 勝田、河合
9月25日(土) ・NAASHロンドン事務所ミーティング 勝田、河合
9月26日(日) ・打ち合わせ、資料整理 勝田、河合
9月27日(月) ・UK Sport視察 ・ミーティング 勝田、河合
・移動日 阿部、稲福
9月28日(火) ・バーミンガム大学視察 ・ミーティング 河合、阿部、稲福
9月29日(水) ・ラフバラ大学視察 ・ミーティング 河合、阿部、稲福
9月30日(木) ・2012ロンドンオリンピック競技大会会場視察
・NAASHロンドン事務所におけるミーティング
勝田、河合
阿部、稲福
10月1日(金) ・移動日 勝田、河合
阿部、稲福

【活動内容】

9月25日

・NAASHロンドン事務所スタッフとのミーティング

日本スポーツ振興センター(NAASH)ロンドン事務所にて、ロンドン事務所の役割およびロンドン・オリンピックに向けた英国のスポーツ政策と具体的なプログラムについて聞き取り調査を行なった。

9月26日

翌日のUK Sport、その後のバーミンガム大学、ラフバラ大学視察・会議にむけて視察内容の確認及び会議内容、資料の整理をおこなった。

9月27日

・ロンドンオリンピック競技大会会場の視察
2012年に英国で開催されるロンドンオリンピック競技大会の会場を視察した。大会会場は工事途中であったために直接会場内へ入ることはできなかった。しかし、会場周辺や会場近くに設けられた観覧地点からメイン会場やその他競技会場を見ることができた。また、会場視察ツアーが組まれており、ツアーで大会会場の説明を受けながら会場周辺や観覧地点から大会会場を見ることができる。大会会場への交通手段に関しては、会場周辺道路の拡張工事がおこなわれており、隣接する地下鉄や鉄道周辺も会場内まで続く道が新たに建設されていた。また、大会会場と隣接してヨーロッパ大陸とイギリスを繋ぐ高速鉄道ユーロスターの新駅を建設しており、ヨーロッパ大陸の各国から列車で入国できるようになる。今後は路線バスに関しても新たなアクセスが設けられる予定なので、アクセスはさらに良くになると考えられる。

・UK Sport視察・ミーティング

UK Sportの国際関係部長(Head of International Relations)であるBen Calveley氏と会議をおこなった。会議内容としては、スポーツキャリア大学院プロジェクトの位置づけや構成を考えるために、UK Sportの組織体系や役割、目的等について話を聞いた。また、Calveley氏による案内で職員が働くUK Sportオフィスやミーティングルーム、施設等の視察もおこなった。

※写真:ロンドンオリンピック競技大会会場/ストラトフォード駅

9月28日

・バーミンガム大学視察・ミーティング

バーミンガム大学への視察は、国立スポーツ科学センター主導のもと、筑波大学と仙台大学の共同視察となった。今回の視察では、英国におけるトップスポーツアカデミーの内容や教授方法、大学と政府機関との連携等について参考情報を得るための視察・調査を目的としていた。

会議においては、バーミンガム大学のスポーツ主任であるZena Wooldridge氏から同大学におけるアスリートへの奨学制度(University of Birmingham Sport Scholarships)の説明をうけた。また、アスリートへ奨学制度を提供している政府機関のTASS(Talented Athlete Scholarship Scheme)における奨学制度についてTASSのナショナルマネジャーであるGuy Taylor氏から説明をうけた。

バーミンガム大学における奨学制度は2種類あり、一方が大学によるもので他方がTASSプログラムとリンクしているものである。バーミンガム大学の奨学制度によるサポートは「金銭支援(上限を1,000ポンド)」と「スペシャリスト・サポート・サービス(競技支援や学業支援)」に分けられる。この奨学制度は才能を持った学生アスリートが、大学で勉強しながら競技の潜在能力を最大化することを支援することを目的としている。バーミンガム大学はTASSの奨学制度を活用し、大学内の奨学制度にリンクさせてアスリートをサポートするシステムを構成している。TASS奨学制度は、奨学対象者が競技団体の推薦により選ばれ、年3,500ポンド(約47万円)の奨学金から、競技特定サービス(競技大会への参加やトレーニングによる支出)と個別サポートパッケージ(ライフスタイルサポートや医学サポート等)の二つのサポートを受けることができる。

バーミンガム大学がTASSプログラムを実施するメリットとして、「大学スポーツとしての競技力向上を図ることができ、アスリートサポートのためにスペシャリストを大学が雇用できることで、競技で活躍するために必要なスキルを向上するためのサポートを提供することができるようになること」と述べていた。
大学とTASSの連携については、TASSが大学側の構成するプログラムの内容に直接介入するのではなく、情報(専門競技に関する競技環境や学びたいことが学べる大学がどこかといった情報)をアスリートへと提供するとともに、実際に提供する大学のプログラムの品質を維持するためのモニタリングをする形で関係性が持たれている。

9月29日

・ラフバラ大学視察・ミーティング

ラフバラ大学スポーツ運動健康科学学部(School of Sport, Exercise and Health Sciences)のスポーツコーチング科学修士(MSc Sport Coaching)コースにおけるコーチングシステムや講義構成、中央競技団体や政府機関との繋がりについて調査することを目的として、スポーツ運動健康科学学部のアドバイザーであるDi Bass氏と会議をおこなった。

会議では、まず日本におけるトップコーチ育成プログラムを実施しているナショナルコーチアカデミーの概要及びスポーツキャリア大学院プログラムについて説明をおこなった。その中で仙台大学の取り組みについて話し、今回の視察目的を伝えた。その後、ラフバラ大学スポーツコーチング科学修士コースのプログラム概要の説明をうけた。このコースは2年から8年間の定時制コースとなっており、スポーツコーチ指導者としての基礎知識やコーチングの専門知識、また、より専門的な知識習得のために心理学やバイオメカニクスの講義も実施していると述べていた。中央競技団体や政府機関との繋がりについて聞いてみたところ、ラフバラ大学においては外部との連携や繋がりはなく、学部コース内における講義のみだという。ラフバラ大学としても今後機会があれば中央競技団体や政府機関と連携したプログラムを実施したいと考えているが、明確な予定は特にないようである。

※写真:ミーティングの様子/施設の様子

9月30日

・ロンドンオリンピック競技大会会場視察

2012年ロンドンオリンピック競技大会期間中に日本選手やスタッフの村外拠点となるインペリアル大学から大会会場までの移動を検証した。地下鉄を利用して、インペリアル大学の最寄り駅(サウスケンジントン駅)から大会会場の最寄り駅(ストラトフォード駅)までの移動時間は約30分だった。ロンドン地下鉄は、運賃体系にゾーン制および時間帯別運賃を採用している。ゾーンは、市内中心部からの距離に応じて6つに分けられており、中心部がゾーン1、外側がゾーン9となっている。ストラトフォード駅はゾーン3となるため、ロンドン市内中心部から移動する場合にはゾーン3のチケットを購入する必要がある。今回の視察に際しては、1日中ゾーン3内が乗り放題になる「one day pass ticket(Zone3)」を購入して市内を移動した。

ストラッドフォード駅到着後は、ロンドンオリンピック競技大会の会場を視察した。私たちが視察したときには、小学生の団体、ツアーで会場観覧していたグループや個人など多くの人が大会会場を観覧に来ていた。大会開催まで残り約660日であり、大会会場周辺におけるロンドンオリンピックの雰囲気はさほど感じられなかった。

※写真:ロンドンオリンピック競技大会会場/NAASHロンドン事務所

・日本スポーツ振興センター(NAASH)ロンドン事務所におけるミーティング

日本スポーツ振興センターロンドン事務所にてロンドン事務所スタッフとの顔合わせをおこない、事務所の役割や施設について説明を受けた。

2)南アフリカ調査

(1)概要

会議名:第7回スポーツ・教育・文化に関する国際会議
(7th World Conference on Sport, Education and Culture)
会期:2010年12月5日(日)〜7日(火)
会場:ダーバン国際会議センター(ICC: International Convention Center)
テーマ:「若者へのメッセージ(Giving a Voice to Youth)」

(2)出張報告(仲野隆士・中房敏朗・馬場宏輝)

大学院スタッフとして派遣された我々3名の任務は、南アフリカ・ダーバンにおいて開催されたIOC国際会議に参加し「スポーツキャリア大学院の授業等で取り上げるべき最新情報を収集してくる」というものであった。阿部篤志先生はJISS(国立スポーツ科学センター)からの派遣と同じく参加し、国内の大学から教員が4名参加したのは仙台大学だけであった。3日間の多岐に亘るプログラムに対し、全体セッションは3名で、2会場に分かれるセッションではそれぞれ拝聴し、滞りなく全セッションを視察した。

パラレルA:教育を土台としたスポーツの典型的な価値…中房
パラレルB:スポーツへの積極的な関与と雇用…仲野・馬場
パラレルC:健康的な生活習慣文化の構築…仲野・馬場
パラレルD:教育と統合に向けてのスポーツモデル…中房
パラレルE:教育カリキュラムにおけるスポーツの位置づけ…仲野
パラレルF:若者の考え…中房・馬場
パラレルG:遺産と再生(スポーツの治療パワー)…中房
パラレルH:オリンピック文化(オリンピック出場経験の価値)…仲野・馬場

シンガポールで開催された第1回YOGに参加した選手・レポーター・ユース大使によるトークセッションが最終日に実施され、若者たちの報告からスポーツを通した国や文化の枠を超えた国際交流の意義や価値というDNAが2014年の第2回YOG南京に受け継がれることを感じとることができた。予期せぬハプニングは多かったが、貴重な経験と収穫の多い出張であった。

最年長参加者の私(仲野)は、1970-74年の3年半の期間を南アフリカのヨハネスブルグで生活していた。40年ぶりに言わば「第二の母国」を訪れる機会を得て誰よりも感慨無量の出張となった。最終日、「朝のビーチは安全」というホテル従業員からの情報を基に、勇気を出し朝のビーチに行ってみた。そこには、朝の6時にもかかわらず犬と散歩する人、ジョギングする人、自転車に乗る人などで賑わうビーチがあり、人種の枠を超えた実に平和な空間が存在していることを窺い知ることができた。ほっとすると同時に、嬉しい誤算ともいえる収穫であった。

※写真:左から馬場・仲野・中房(カンファレンス会場)

(3)実施内容

2010年12月5日(日)

時間 内容
17:00-18:30 オープニングセレモニー(Opening Ceremony)

2010年12月6日(月)

時間 内容
09:00-10:30 全体会1「スポーツ、教育、文化:分けることができない3つの要素」
スポーツと教育と文化の接続は、文化的交流を奨励したり文化の多様性を促進する。初めてのシンガポールでのユースオリンピックを通じてこれらのトライアングルは一つの頂点で結束した。
1)開会の挨拶と導入「オリンピック教育の方向性」
Dr Jacques Rogge, IOC President
2)スポーツ、教育そして文化の統一
Mr Ser Miang Ng,Chairman of the Singapore Youth Olympic Games Organising Committee (SYOGOC) and IOC Vice-President
3)スポーツの力
Mr John Perlman, CEO of the Dreamfields Projects
4)巨大スポーツイベントのレガシー
Ms Ming Zhang, Secretary General, Beijing Olympic City Development Association
5)勢力の打開
Mr Devon Van der Merwe, YOG Young Ambassador
10:30-11:00 コーヒーブレイク
11:00-12:30 分科会A「価値に基づく教育の意義」
尊重、卓越性、友情などの人間的価値に焦点をあてて実践的トレーニングとして組み立てることで、参加者に積極的な学習意欲をかきたてたり、尊敬される良い市民になることに結びついた。
分科会B「スポーツとの関わりを通じた能力開発」
教育の観点はスポーツを通じて劇的に広がりを見せる。スポーツをベースとした指導や受容力を開発するプログラムを経て、ライフスキルの進化は個人の成長や幸福を加速させた。
1)Mme Nawal El Moutawakel, IOC Executive Board Member & UNICEF Goodwill Ambassador
2)Mr Kenneth Eklindh, Deputy Director, Division of Basic Education, UNESCO
3)Mr Raymond Goldsmith, Chairman and CEO, ISM Media Corp
4)Ms Deanna L. Binder, PhD Curriculum Specialist, Educational Design International
5)Ms Diacounda Sene, YOG Young Reporter
1)Dr Rania Elwani, IOC Member
2)Prof Margaret Talbot, President of the International Council on Sport Sciences and Physical (ICSSPE)
3)Mr S. Ananthakrishnan, Chief, Partners and Youth Section, UN-Habitat
4)Ms Tendai Pasipanodya, UN Youth Employment Network (YEN)5)Mr Joseph Parker, YOG Athlete
12:30-14:00 昼食
14:00-15:30 全体会2「スポーツを通じた異文化間の対話の促進における若者の役割」
世界の人口の18%を若者が占める。国連「若者のための国際年2010(以下IYY)」は、スポーツ、教育、文化を通じて、社会を超えて横断的に若い人々を繋いだり、異文化間の理解を促進するための、若者の重要な役割を示している。グローバル開発課題におけるこの問題への認識が高まってきていることを捉え、IYYはそれに対する気づきを促し、若者の間に橋をかけて行動に繋がるように働きかけている。「文化交流のための国際年2010」と併せて、ユネスコは人種差別と戦ったり、コミュニティと人の分裂を超越する上でのスポーツの持つ力や潜在力を示すことを狙う。
1)導入と紹介
Mr Getachew Engida, Deputy Director General UNESCO
2)若者の役割と異文化交流におけるスポーツのパワー
Mr Samir Laabidi, Minister of Youth, Sport and Physical Education for Tunisia
3)サッカーを通じた青少年育成
Mr Gerald Guskowski, Team leader GTZ
3)スポーツへの参入
Ms Natalie Du Toit, Paralympic Swimmer
4)スポーツの役割とは?
Ms Nicola Shepherd, UN Programme on Youth
15:30-16:00 コーヒーブレイク
16:00-17:30 分科会C「健康的な生活習慣の文化を育てるために」
社会経済学としての観点、特に文化的に多様な状況下における健康に対しては、個々に応じた行動が求められる。スポーツの活用は、持続可能な良い食事や疾病予防、活動的な生活習慣へ移行する上で最上の方法である。
分科会D「教育と統合のモデルとしてのスポーツ」
社会的価値の伝達やステレオタイプの破壊、若者の潜在力の強化における枠組みとしてのスポーツは、異文化理解に大きな貢献をすることができる。
1)Dr Stella Anyangwe, World Health Organisation, Republic of South Africa
Regional Office
2)Mr Carl Marsh, Project Coordinator Global Sports Fund
3)Ms Kirsty L. Coventry,Olympic Medallist
4)Mr James Donald,Programme Manager Grassrootssoccer.org
5)Ms Primrose Mhunduru
, YOG Young Ambassador
1)Catherine Forde, Trinidad and Tobago Olympic Committee
2)Ms Marlova Noleto Jovchelovitch, Creanza Esperanza, UNESCO Office Brasilia
3)Prof Marion Keim Lees, Director of the Interdisciplinary Centre of Excellence for Sport Science and Development at the University of Western Cape
4)Mr Steve Griffiths, Head of Technical Services, International Rugby Board
5)Mr Antony Scanlon, Executive Director, International Golf Federation

2010年12月7日(火)

時間 内容
09:00-10:30 全体会3「グローバル視点における地域の現実:持続可能な発展のための教育」
地域のニーズを置き去りにして世界の発展は果たし得ない。政府や国連関係機関、市民団体やスポーツムーブメントを通じた参加型モデルの「グッドプラクティス」としての事例には、横断的な課題としての持続的発展に取組むための可能性がある。
1)FIFA World Cupにおける教育と社会的レガシー
Mr Fikile Mbalula, Minister of Sport and Recreation of the Republic of South Africa
2)2012ロンドン大会までの世界の若者の想像力
Mr Nick Fuller, Head of Education, The London Organising Committee of the Olympic Games and Paralympic Games Ltd (LOCOG)
3)2016年に向けた若者と教育
Ms Christiane Paquelet, Administrative and Cultural Director, NOC Brazil
4)グローバルな視点で捉えた地元の実態:青年と教育
Prof Yoganathan (Yoga) Coopoo, Lecturer in Exercise Science and Sports Medicine, Centre for Exercise Science and Sports Medicine, University of the Witwatersrand
Participatory Management:
5)持続可能な育成に関わる若者
Mr Alan Harris, YOG Young Reporter
10:30-11:00 コーヒーブレイク
11:00-12:30 分科会E「教育課程におけるスポーツの位置づけ」
スポーツは不可欠な分野横断的な研究領域となった。「体育vs正規教育」論争やスポーツを教育課程に組み入れることの象徴的な価値について考える。
分科会F「若者が語る」
スポーツや教育、文化、社会から学んだ経験を語る。オリンピックコングレス提言の成果とミレニアム開発目標をいかに結びつけて世界の課題の改善を図っていくか。
1)Mr Ming Ding, Deputy Director of General Office of Nanjing YOG 2014 Leading Group
2)Ms Jane Gardiner, Director Intergovernmental Relations, Ministry of Education British Columbia, Canada
3)Ms Narin Haj Tass, Educational and Training Manager, NOC of Jordan
4)Ms Lamis Ghazy, Head of Section Technical Affairs, NOC of Egypt
5)Mr Florian Kogler, YOG Young Ambassador
1)Ms Jacqueline Silva, UNESCO Champion for Sport 2009
2)Ms Rosalia Ambrosio Zima, Young Leader, International Inspiration
3)Mr Previn Vedan, Springbok Scout, World Scout Organisation
4)Ms Samantha McIntosh, YOG Young Athlete
5)Mr Felipe Wu, YOG Young Athlete
12:30-14:00 昼食
14:00-15:30 分科会G「レガシーと刷新:スポーツの治癒力」
過去を乗り越えようとする草の根レベルでスポーツがいかにその治癒に役割を果たしたか、実践的な事例で検討する。
分科会H「文化としてのオリンピック:オリンピック体験に追加される価値」
スポーツは、その尊重において純粋な身体能力をしのぐ。その力は、社会経済学的な便益の発展に役立つが、同様に文化・芸術分野を加えることで、等しく個人的成長にも繋がる。
1)Mr Thierno A. Diack, CEO
OlympAfrica Foundation
2)Mr Serge Mwambali, YOG Young
Ambassador
3)Mr Dilshan Kariyawasam, YOG Young
Athlete
4)Ms Emina Cerimovic, Participant of
Generations for Peace Camp
5)Mr Thiam Peng Tan, YOG Young Reporter
1)Prof Norbert Mueller, President, International Pierre de Coubertin Committee
2)Mr Will Hutchinson, Special Adviser, Culture, Ceremonies Education, London 2012
3)Mr Burke Taylor, Vice-President Culture and Celebration Programs, Vancouver 2010
4)Prof Paul Singh, Chief Director of Client Support, International Liaison, Facilities and Events, Sport and Recreation South Africa5)Ms Danka Bartekova, YOG Young Ambassador
15:30-17:00 全体会4及びクロージングセレモニー「ユース討議:私の人生の一部にスポーツはどうあるか」
成功裏に開催されたユースオリンピック(YOG)を終えた今、YOGに参加したヤングアンバサダー、ヤングレポーター、そしてアスリートが自らの経験を語る。YOGの重要なポイントは、総合競技大会と文化・教育プログラム(CEP)の創造的な融合であった。参加した彼らにとって、それはどのような意味を持った人生を変える体験だったのか。
17:00-17:30 ブレイク
17:30-18:00 最終報告プレゼンテーション
18:00 クロージングプレゼテーション-若者による祭り

 

<参考>

第1回ユースオリンピック視察報告
~世界がめざすスポーツを通じた教育のいま~

仙台大学講師・同スポーツ情報マスメディア研究所研究員
阿部篤志

スポーツを通じた青少年の教育に求められるものは何か。それを考えるスポーツシンポジウム「これからの青少年スポーツ教育~世界の舞台に目を向けて~」が2010年11月17日、せんだいメディアテークにて開催された。私は基調講演として、昨夏に視察した第1回ユースオリンピック競技大会(以下YOG)について報告を行った。本稿ではその内容を振り返りながら、いま世界がめざそうとしているスポーツを通じた教育の姿についてご紹介したい。

文化・教育プログラムがめざしたもの

2010年8月、第1回YOGがシンガポールで開催された。205の国と地域から14~18歳のアスリート3,528人が参加。国内ではあまり報道されなかったようだが、記念すべき第1回大会の第1号金メダルを日本代表の佐藤優香選手(トライアスロン競技)が獲得し、シンガポール主要紙の1面で大きく報じられた。YOGの特徴は、選手全員の参加が義務付けられた「文化・教育プログラム(以下CEP)」にある。国際オリンピック委員会(以下IOC)はCEPを通じて、他の国・地域から参加した競技者とともに世界の諸問題や各国の文化などを学ぶ機会を提供した。
例えば「ディスカバリー活動」と呼ばれるプログラムでは、国際機関の協力を得てワークショップや情報提供が行われた。国際連合児童基金(UNICEF)が提供するブースでは、国連スタッフの進行により「HIV(エイズウイルス)」について考えるセッションが行われていた。ゲーム形式を取り入れてリラックスした雰囲気ながらも、重要な問題に対峙して真剣に考える若いアスリートの視線が印象的であった。

真のチャンピオンとは何か

若いアスリートは今回の経験を通じてさまざまな価値観や多様性と向き合いながら、「卓越(Excellence)」「友情(Friendship)」「尊重(Respect)」という3つのオリンピックの価値を受け入れ、それを自身の行動や振る舞いとして発揮することが求められた。これは、YOGの創設を提唱したジャック・ロゲIOC会長が長年にわたって温めてきたアイデアであり、メッセージでもあった。
「勝つためにはゴールラインを最初に超える必要があるが、チャンピオンになるということは、身体的な能力だけでなく、あなたの人格への賞賛も呼び起こさなければならない。もし同世代のロールモデルとして皆さんが振舞う準備ができたのであれば、順位に関係なく皆さんはチャンピオンになるだろう」という開会式での自身のスピーチを受けて、ロゲ会長は「真のチャンピオンになるということは、単に試合の勝者であるだけではないことを理解しただろう」という言葉で閉会式を締めくくった。

鍵は自らの「発信」にある

IOCは2010年12月、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)と共催で「第7回スポーツ・教育・文化に関する国際会議」を南アフリカのダーバンにて開催。YOGの検証を行うとともに、今後におけるスポーツを通じた若者への教育に関する宣言が採択された。
同会議は「若者たちの本会議への積極的な参加そのものが最も重要な革新であった」と述べ、今後のオリンピック・ムーブメントに関わる各種会議への若者の関与を奨励した。確かに、IOC委員や有識者に混ざって議論に参加した若者たちの発信するメッセージには大きな説得力と共感があった。最終日に行われた「Youth Caucus(若者討議)」には、YOGに参加したアスリートの他、IOCが各地域からYOGに招聘したヤング・アンバサダー(大使)やヤング・リポーターが登壇した(写真2)。彼らはYOGを振り返りながら、最終的に「YOGという、限られた人のみが得られた機会を通じて自らが経験し学んだことを、自分のコミュニティでいかに発信(Outreach※)するかが、YOGの価値を決めていく」という一つの結論にたどり着いた。
このことは、我が国における「新しい公共」時代のスポーツやスポーツ教育のあり方を考える上で極めて重要な視点だと、議論を目の当たりにしながら実感した。福岡県タレント発掘・育成事業において、YOGを視察したアスリートが自ら県内に情報を発信する試みが育成プログラムの一環として実施されたことは先進的である。
本学におけるこれからのスポーツ教育を考えたとき、私たちは学生に対していかに学び、発信する場を準備していくべきか。今回の視察を通じて深く考えさせられたとともに、具体的な取り組みへのヒントを多く得ることができた。今回の視察の機会とご支援をいただいた学内外の関係者に感謝したい。

※写真:「ディスカバリー活動」の様子/「ユース討議」で意見を述べ合う若者たち

※Outreach・・・アウトリーチ。元来は社会における奉仕(福祉)活動の意。普及活動や啓蒙活動として用いられる語。

仙台大学「S.U.N.」第8号(2011.02.15)p4~5から転載