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大自然の中で仲間と過ごした4日間―平成26年度仙台大学「キャンプ」

[2014/09/19]
  平成26年度の「キャンプ」が、宮城県白石市「南蔵王野営場(国立花山青少年自然の家管轄施設)」にて行われた。第一団は9月3日〜6日、第二団は9月7日〜10日、それぞれ3泊4日の日程で実施された。実習生は、6〜7名の男女学科部活混成班に振り分けられ(1団12班、2団11班)、野外生活や沢登り、縦走登山に取り組んだ。それぞれの班にはキャンプカウンセラーとして補助学生が1人ずつつき、実習生と生活を共にしながら指導にあたった。

  第一団は、雨のキャンプとなった。初日には、雨が降る中テントを濡らさないように設営することが求められ、どの班も苦労を強いられた。しかしながら、夕食作りの頃には協力する姿勢が見られ、スムーズに作業を進められるようになっていった。2日目の沢登りでは、少し肌寒い曇り空のもとで行われたが、今年度の学生たちの元気の良さが印象的であった。飛び込みポイントや一枚岩のウォータースラーイダーでは、次々と学生が水の中にダイブしていった。キャンプ実習が南蔵王野営場に移って3年目となるが、これほど学生が積極的に水の中に飛び込んでいったのは初めてであった。飛び込んだ学生は皆震えながらも、いい顔をしていた。3日目の登山では、途中雨に降られる中、過酷な登山となった。特に、最終班はなかなかペースをあげられず、ケガ人も出て、最終的には19時20分にヘッドランプをつけながらの帰着となった。他の班の学生やスタッフ達の暖かい拍手、帰着した者たちのホッとした表情や涙が印象的であった。また、その直前に、他の班のメンバーが「登山から帰ってきてすぐにカレーが食べられるように、彼らの夕食を準備させてほしい」と嘆願してきたことも、とても嬉しい一幕であった。

 第二団では、うってかわって天候に恵まれたキャンプとなった。まったくといっていいほど雨に降られることはなく、全てのプログラムを予定通り野外で行うことができた。天候が安定している分、協力して作業をスムーズに進めることができた班には余裕ができる。あいた時間の中で沢遊びや場内散策にでかけたり、ゆったりした時間を過ごしたり、班で思い思いの時間を過ごしていた。2日目の沢登りや3日目の縦走登山でも、一団と同様に非常に元気であった。この2団で特筆すべきことは、誰一人装備不備者がいなかったことと、全員が3日目の縦走登山にチャレンジし、誰一人欠けることなくコースを歩ききったことである(例年、雨具に不備があったり、ケガで登山にチャレンジできない者がいた)。登山後に行われたキャンプファイヤーでは、各班で考えたスタンツを発表したが、これまた例年にないほどすばらしい出来映えであった(1団も同様に、過去2年間より出来映えのよいものであった)。

  南蔵王野営場にキャンプ実習を移してから、今年は3年目の実習であった。オリエンテーションを厳しく行い、先輩からの「大変だけど有意義である」という口コミの影響もあり、年々実習生の質があがっているように感じる。同時に、指導する補助学生の能力や意識も確実に向上している。3年の試行錯誤を通して、原始的な野外生活を基盤として登山をメインプログラムとするキャンプ実習をつくりあげることができたが、よりよい実習のためにスタッフの体制やマネジメント面で改善する部分はまだ残されている。来年度もさらによいキャンプ実習になるよう努力していきたい。

<記事・写真:岡田成弘講師提供>