第一部の基調講演には、世界陸上400mハードル銅メダリストでシドニー・アテネ・北京とオリンピック連続出場の為末 大氏による「スポーツの可能性」と題した講演が行われ、これまでの競技生活において為末氏が得たものなどが紹介されました。その一つに自分を客観的に見つめること(control my self)を挙げ、常にあらゆる場面を想定した「考えるトレーニング」を行ってきたことなどが話されました。また、片足義足のパラリンピアンの「左足を失ったのか。右足が残ったのか。私は後者を希望と呼ぶ。」という言葉が紹介され、為末氏の競技を通じた人生観とともに、全ての人に希望を与えうるスポーツの持つ可能性について考えさせられる講演となりました。 第二部では「子どもの体力低下について考える」をテーマに公益財団法人日本体育協会スポーツ科学研究室長代理の森丘保典氏、仙台市立富沢小学校長の郡山孝幸氏、仙台大学講師山梨雅枝氏によるパネルディスカッションが行われ、仙台大学准教授内丸仁氏がコーディネーターを務めました。パネリストそれぞれの立場から現在取り組んでいる活動の紹介がなされ、スポーツ基本法でも取り上げられている体力向上の取り組みへ向けた今後の課題や、子供たちの健やかな発達を促すための方策など、活発な議論が交わされました。